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子供の過蓋咬合はどうやってなおす?原因や予防法について解説

「過蓋咬合(かがいこうごう)」とは、かみ合わせたときに下の歯が見えない状態のことを言います。悪い歯並びを指す不正咬合の一種です。歯並びに問題がないように見えるため、保護者の方も気づきにくく、放置されることがあります。過蓋咬合は将来のお口の健康に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。本記事では、過蓋咬合の原因や予防法について詳しく解説します。

 

そもそも過蓋咬合ってなに?

過蓋咬合とは、かみ合わせたときに上の歯が下の歯を覆ってしまう深いかみ合わせのことです。この状態を放置すると、上の前歯で歯ぐきを傷つけたり、顎関節症を引き起こしたり、笑ったときに歯ぐきが過剰に露出するガミースマイルの原因になったりすることがあります。過蓋咬合の主な原因は以下の通りです。

あごのバランスが悪い

上あごの過成長や下あごの劣成長であごの骨のバランスが崩れていたり、上あごに比べて下あごが後方に位置していたりすると、過蓋咬合になる可能性があります。

歯の生え方や大きさ

歯の生え方や大きさに問題がある場合、過蓋咬合を引き起こす可能性があります。たとえば、奥歯の高さが不足していると前歯に負担がかかり、かみ合わせが深くなる傾向にあります。また、前歯が伸びていたり大きかったりすることも過蓋咬合の原因です。

乳歯の早期喪失

虫歯などで乳歯が早期に失われると、周囲の歯が隙間を埋めようとして動いてしまうことがあります。その結果、後に続く永久歯が正しい位置に生えず、過蓋咬合を引き起こしてしまうケースがあります。

指しゃぶりや頬杖などの悪い癖

指しゃぶりや頬杖、舌を出す癖や下唇を噛むなど悪い癖は、歯を動かすのに十分な力を加えてしまいます。これらの癖が長期間続くと過蓋咬合の原因になることがあります。

 

過蓋咬合はどうやってなおす?

過蓋咬合を治療する方法は、永久歯が生えていない5歳以下の子供では経過観察が一般的です。しかし、6歳以上の子供の場合、小児矯正が必要です。

以下の装置を使用して、悪い癖の改善とあごの成長をコントロールする治療が行われます。この治療方法は成長期の子供にのみ適用されます。

マウスピース型の装置

取り外し可能なマウスピース型の装置を自宅にいる間ずっと装着します。この装置は舌や唇の悪い癖を取り除き、お口周りの筋肉を鍛えて正しく使えるようにサポートするものです。また、下あごの骨を前方に誘導し、奥歯の高さを適切な位置まで伸ばすこともできます。

装置の種類によっては、歯を正しい位置に整える役割も果たします。はじめのうちは違和感を覚えるため、装着時間が短くなったり、寝ている間に無意識のうちに外してしまったりすることがあるかもしれません。しかし、慣れてくると違和感は少なくなり、装着時間を守ることができます。

拡大床

拡大症とは、プラスチックとワイヤーでできた取り外し式の矯正装置です。あごの骨を拡大し、上下のあごのバランスを整えていきます。装置にネジが組み込まれており、ネジを回すことによって装置を大きくします。1か月に約0.3mm拡大していくことが可能です。

 

いずれも取り外しができる装置のため、装着時間が短くなったり使用しない状態が続いたりすると効果が得られません。

小児矯正を行うことで、永久歯が正しい位置に並びやすくなるため、将来的な矯正治療が不要になる可能性があります。また、治療が必要になったとしても、抜歯が不要になる場合もあり、治療の負担を軽減できます。

 

過蓋咬合を予防するには?

過蓋咬合を予防するには、以下の方法があります。

姿勢を正す

過蓋咬合を予防するためには、正しい姿勢を保つことが重要です。正しい姿勢は、あごや歯の発育に良い影響を与えます。特に食事中は、猫背や犬食いになっていないか注意して見てあげましょう。食事の時間をゆっくりと取り、よく噛む習慣を身につけることも大切です。

また、硬い食べ物を与えることで、あごの筋肉を鍛えることもできます。

悪い癖の改善

悪い癖を改善することは、過蓋咬合の予防につながります。たとえば、指しゃぶりはストレス発散や安心感を与えるものですが、4歳を過ぎても続けている場合、歯並びに悪影響を与える可能性があります。おもちゃやぬいぐるみを与えたり、子供の関心を引く遊びを提案したりすることで、指しゃぶりを減らすことができるでしょう。

また、唇や口周りの筋肉を緊張させる癖がある場合、あごに梅干しのようなシワができることもあります。その場合は、下あごをマッサージしてあげると筋肉の緊張がやわらぎます。

下あごを動かす

過蓋咬合を予防するためには、下あごを動かして筋肉のバランスを整えることも大切です。たとえば、外遊びや歌を歌うなど、口を大きく開けられるような遊びや習慣は下あごのトレーニングになり、過蓋咬合の予防につながります。

 

まとめ

過蓋咬合は歯や歯ぐきに悪影響を与えるだけでなく、体の健康を損ねるリスクを高めてしまいます。過蓋咬合の徴候が見られた場合、あごの骨の成長段階で治療を開始すると簡単な装置で治せる可能性があります。子供が笑ったときに下の前歯が見えない場合は、お子様の将来のためにも、早めに矯正歯科を受診することをおすすめします。