当院の滅菌・消毒への取り組み

患者さまに安心して治療を受けていただくために、当院では徹底した滅菌・消毒対策を実施しております。
使用する器具には、ウォッシャーディスインフェクターや滅菌器(classB)などを導入し、国際規格(ISO1588/1、ISO1588 3/2)に適合した洗浄・消毒・滅菌を行っています。
また、診療台や治療スペースの清掃・消毒を徹底し、使い捨て可能な製品を積極的に活用することで、常に清潔な環境を維持しています。
患者さま一人ひとりが安心して治療を受けられるよう、衛生管理を徹底してまいります。
当院の滅菌・消毒の行程について
当院では、患者さまに安心して治療を受けていただくために、
徹底した滅菌・消毒の行程を実施しております。
治療で使用する器具は、以下の5つのステップを経て、安全に管理されています。
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機器の手洗い
使用後の器具は、まず目に見える汚れをしっかりと除去するために手洗いを行います。この段階で血液や唾液などの付着物を丁寧に落とし、次の工程に進みます。
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超音波洗浄
超音波の振動を利用し、手洗いでは落としきれない細かい汚れを除去します。微細な隙間に入り込んだ汚れも効果的に洗浄できるため、より高いレベルの清潔さを確保できます。
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ウォッシャーディスインフェクター(自動洗浄消毒器)
当院はこの機器を導入し、さらに高度な消毒を行っています。
この機器には3つポイントがあります。- 手洗いよりもエラーが少なく、洗浄の均一性が確保できる
- タービン(歯を削る器具)内部の洗浄・消毒が可能
- この工程のみで高レベルの消毒が完了する
ウォッシャーディスインフェクターは、強力な水流と高温消毒を組み合わせ、細部までしっかり洗浄するため、より安全な環境を提供できます。
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パッキング(滅菌パックへの封入)
滅菌する前に、器具を専用の滅菌パックに封入します。これにより、滅菌後に外部の汚染から器具を守り、患者さまごとに清潔な状態を保つことができます。
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滅菌器(オートクレーブ)による滅菌処理
当院では、2種類の滅菌器(Class B・Class N)を使用し、器具の種類に応じた最適な滅菌を行っています。
◆Class B滅菌器の重要性
- 一般的な滅菌器では滅菌が難しいバキュームや筒状の器具の内部までしっかりと滅菌できる
- パッキングされた器具を完全に滅菌できるのはClass B滅菌器のみ
- 医科水準の滅菌レベルを歯科医院で実現
Class B滅菌器は、高度な滅菌技術を必要とする医療機関で推奨される最高レベルのオートクレーブです。
当院では、この滅菌システムを導入することで、患者さまにより安全な治療環境を提供しています。
ウォッシャーディスインフェクターによる精密な洗浄・消毒

歯科治療で使用するタービンや器具は、非常に細かい内部構造を持っているため、手洗いでは内部の汚れや細菌を完全に除去することが難しい場合があります。
特に、タービン内部は複雑な構造になっており、目に見えない部分に汚れが蓄積しやすいため、確実な洗浄・消毒が求められます。
当院では、この問題を解決するためにウォッシャーディスインフェクターを導入し、より精密かつ確実な洗浄・消毒を行っています。
ウォッシャーディスインフェクターの特長は、手洗いよりもエラーが少なく、常に一定の水圧・温度で自動的に洗浄を行うため、洗い残しのリスクを大幅に低減できる点にあります。
人の手では見落としがちな細部の汚れも、この機械を使用することで確実に取り除くことが可能です。
また、タービンの内部までしっかりと洗浄・消毒できるのも大きなメリットです。通常の手洗いでは、器具の外側の汚れを落とすことはできても、内部までしっかりと洗浄することは困難です。
しかし、ウォッシャーディスインフェクターは内部まで洗浄液と水流を行き渡らせることで、手洗いでは届かない細かい部分の汚れや細菌も確実に除去することができます。
さらに、ウォッシャーディスインフェクターは、この機械単体で高度な消毒が可能であり、器具の清潔さをより高いレベルで維持することができます。
手洗いでは水温や洗浄方法にバラつきが出ることがありますが、ウォッシャーディスインフェクターはプログラム化された最適な温度・水圧・時間で均一な洗浄・消毒を実施するため、常に一定の高い衛生基準を保つことが可能です。
このように、ウォッシャーディスインフェクターの導入により、当院では患者さまに使用するすべての器具をより衛生的に管理し、安心して治療を受けていただける環境を提供しています。
Class B滅菌器による徹底した滅菌処理

歯科治療で使用する器具の適切な滅菌は、院内感染を防ぐために非常に重要です。
器具に付着した細菌やウイルスが十分に滅菌されていない場合、患者さま同士の交差感染のリスクが高まる可能性があります。
しかし、通常の滅菌器では、バキュームやタービンなどの筒状の器具内部まで完全に滅菌することが難しく、また、治療器具を衛生的に保管するためにパッキング(個別包装)を行った場合、その内部までしっかりと滅菌できるのは「クラスB滅菌器」だけです。
当院では、最高水準の衛生管理を徹底するためにクラスB滅菌器を導入し、より安心して治療を受けていただける環境を整えています。
クラスB滅菌器は、世界で最も厳しい滅菌基準(EN13060規格)を満たした滅菌器であり、医科・歯科の高度な滅菌が求められる現場で使用されています。
この滅菌器は「プレポストバキューム方式」と呼ばれる高度な技術を採用しており、真空状態と蒸気の注入を繰り返すことで、器具の細部や内部まで確実に滅菌することが可能です。
通常の滅菌器では、滅菌前に空気が抜けきらず、蒸気が器具の細かい内部まで十分に行き渡らないことがあります。
しかし、クラスB滅菌器では、最初に内部を真空状態にし、空気を完全に除去したうえで高温の水蒸気を隅々まで行き渡らせ、最後に再び真空状態にして器具を完全に乾燥させるという工程を繰り返します。
これにより、通常の滅菌器では難しいバキュームチューブの内部や、パッキングされた器具の奥までしっかりと滅菌することができます。
さらに、クラスB滅菌器は滅菌後の器具を無菌状態のまま安全に保管できるため、使用する直前まで衛生的な状態を維持することが可能です。
当院では、このクラスB滅菌器を活用し、すべての治療器具を徹底的に滅菌することで、患者さまが安心して治療を受けられる環境づくりを徹底しています。
チェアーの内部洗浄

歯科治療に使用するユニットチェア(診療台)は、患者さまごとに頻繁に使用される重要な医療機器のひとつです。
外側の消毒はもちろんのこと、実は見えない“内部”にも汚れや細菌が蓄積する可能性があります。とくに、治療時に使用する給水ライン(チェアー内を通る水の管)には、バイオフィルムと呼ばれる細菌の膜が形成されることがあり、そのままにしておくと患者さまの口腔内に影響を与えるリスクがあります。
当院では、こうした見えない部分にも徹底的な衛生管理を行うため、ユニットチェアの内部洗浄を定期的に実施しています。
専用の洗浄液を使用し、配管内のバイオフィルムや汚れをしっかりと除去。
さらに、自動洗浄機能付きのチェアを導入しており、患者さまごとに内部を洗浄・除菌できる仕組みを整えています。
このような対策を行うことで、すべての患者さまに「目に見えない部分まで清潔な治療環境」を提供できるよう努めています。
患者さまの安全を守るために、
今後も徹底した衛生管理を継続していきます

当院では、滅菌・消毒に関する最新の技術と設備を導入し、患者さまの安全を守るために日々の管理を徹底しています。
感染症の予防は、医療の質を支える最も重要な要素であり、私たちは常に最善の方法を選び、実施しています。
今後も引き続き、器具の徹底的な滅菌、院内の衛生管理を怠ることなく、患者さまに安心して治療を受けていただける環境づくりに力を入れてまいります。
患者さまの健康を守るため、常に最前線での衛生管理を行い、信頼される医療を提供し続けます。