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「子供の歯列矯正やらなきゃよかった」とならないために知っておくべきこと

子供の歯並びが気になっている保護者の中には、歯列矯正を検討する方もいらっしゃるでしょう。しかし、SNSやインターネット上で「やらなきゃよかった」という声を聞いて不安になる方も少なくありません。そこで本記事では、小児矯正で後悔する原因や、始める前に知っておくべきことを紹介します。

 

小児矯正で後悔する原因とは

どのような理由で小児矯正を「やらなきゃよかった」となったのか、その原因を4つ紹介します。

虫歯になってしまった

小児矯正で後悔する原因の一つは、虫歯になってしまったケースです。小児矯正では、取り外しができるマウスピース型の装置や床矯正などを使用することもありますが、ワイヤー矯正の場合は、矯正治療が終わるまで装置がついたままになります。

装置の周りは食べかすや汚れが溜まりやすく、矯正前よりも歯ブラシが届きにくいため、歯磨きが不十分になると虫歯になるリスクが高くなります。

また、取り外しができる装置の場合も、糖分の多いお菓子やジュースを頻繁に摂取する習慣があると、虫歯のリスクが高まります。

子供のモチベーションが保てなかった

小児矯正は、子供の協力が欠かせません。しかし、装置による痛みや違和感に耐えられなかったり、モチベーションが保てなかったりすると、途中で治療を諦めてしまうケースもあります。

治療期間が長引いてしまった

小児矯正は、乳歯から永久歯に生え変わる時期から生え揃う時期まで行うことがあり、治療期間が長くなる傾向にあります。そのため、何年も治療を続けていても歯並びが思うように改善されないと、後悔につながる可能性があります。

しかし、そのような場合、適切な治療が受けられていない可能性も考えられるため、別の歯科医院に相談することをおすすめします。

後戻りしてしまった

矯正治療で整えた歯並びが元の位置に戻ろうとする現象を「後戻り」と言います。矯正期間を終えると保定期間に移行し、保定装置(リテーナー)を装着して後戻りを防ぎます。

しかし、保定装置の使用を怠ると、歯は元の位置に戻りやすくなります。特に、成長期の子供は歯が動きやすく後戻りしやすいです。そのため、歯列矯正で歯並びを整えても後戻りしてしまうと「やらなきゃよかった」と感じてしまうことがあります。

 

後悔しないために知っておくべきこと

歯並びやかみ合わせを整えるメリットは大きいですが、治療内容を理解していないと「知らなかった」「想像と違った」と後悔する可能性があります。ここでは、小児矯正を進めるうえで、保護者の方が事前に知っておくべきことを紹介します。

保定期間が必要になる

歯並びが整うまでが治療期間と思われがちですが、その後は、整えた歯並びを固定する「保定期間」に移行します。保定期間は矯正期間と同じくらいの期間を必要とします。

痛みや違和感がある

痛みの感じ方には個人差がありますが、歯列矯正は矯正装置を用いて歯に力を加えて整えるため、痛みや違和感を伴うことがあります。特に矯正治療を開始したばかりや、装置の調整をしたときは痛みが出やすいです。しかし、1週間程度で慣れるため、過度な心配はいりません。

治療期間が長引くことがある

歯の動き方には個人差があるため、予定よりも治療期間が長引くこともあります。事前にその可能性を把握しておくと良いでしょう。

メリットやリスクがある

小児矯正にもデメリットやリスクがあります。それらを理解したうえで歯列矯正を進めることが大切です。カウンセリング時に歯科医師の説明をしっかり聞き、疑問や不安を解消しておくと安心して治療に臨むことができます。

歯並びを悪化させる癖を改善する必要がある

口呼吸や舌癖、悪い姿勢などは、歯並びを悪化させる原因となります。これらの癖を改善しなければ、矯正後に後戻りが生じる可能性があります。矯正治療と並行して、悪い癖を改善するトレーニングが受けられる歯科医院を選ぶことも大切です。

保護者の協力も必要

小児矯正は子供本人だけでなく、保護者の協力も必要です。たとえば、装置の装着や通院時の送り迎え、歯磨きや食事の管理、モチベーションの維持など、子供のサポートが必要になります。

 

小児矯正のよくある質問

ここでは、小児矯正でよくある質問について紹介します。

小児矯正は何歳から始めるのがベスト?

歯やあごの成長は個人差があるため、矯正を始める最適な年齢は一概に何歳からとは言えません。しかし、小児矯正は一般的に、6歳臼歯が生え始めたころに行う「Ⅰ期治療」から始める方が多いです。Ⅰ期治療はあごの成長を利用した治療ができます。これにより、後の「Ⅱ期治療」そのものが必要なくなったり、行ったとしても抜歯が不要になったりする可能性が出てきます。

子供の歯並びが気になる場合は、小学校に就学するタイミングで一度相談すると良いでしょう。ただし、受け口の場合は3歳ごろから相談することをおすすめします。

小児矯正は何年かかりますか?

成長過程やお口の状態によって一人ひとり異なりますが、目安はⅠ期治療で約1~3年、Ⅱ期治療で約1~2年です。Ⅰ期治療とⅡ期治療の両方を行うと、5年以上かかることもあります。

  • 歯並びを治さないとどうなる?

悪い歯並びを放置すると、お口や体の健康にさまざまな悪影響が生じる可能性があります。たとえば、歯並びの乱れによって歯ブラシが届きにくくなると、虫歯や歯周病になりやすいです。また、かみ合わせの乱れは、歯や顎関節に大きな負担をかける可能性があります。

特に、出っ歯や開咬などの症例は、口呼吸になり、お口の中が乾燥しやすいだけではなく、風邪を引きやすくなったりすることもあります。

 

まとめ

小児矯正で後悔する理由で多いのが、治療内容や進行の理解不足によるものです。後悔を避けるためには、十分な情報収集と治療への理解が必要です。カウンセリング時に歯科医師からよく説明を聞き、不安や疑問が残らないようにすることが大切です。